キットカットの進化と革新：歴史を振り返る

キットカットの歴史を紐解いてみましょう。チョコレート好きやキットカットファンにとって、このブランドの興味深いストーリーと進化がどれほど魅力的か、知っていただけることでしょう。

日常の小さな贈り物から、おやつの楽しみ、あるいは特別な日のお供として、キットカットは多くの人に親しまれてきました。しかし、その背後には驚くべき歴史とクリエイティビティが詰まっています。

この記事では、キットカットの軌跡をたどり、その成功の秘密に迫ります。初めてキットカットを手に取った瞬間から、世界中で愛されるチョコレートのアイコンになるまでの驚くべき旅をご一緒に探求しましょう。キットカットの起源や進化、そして知られざるエピソードを通じて、チョコレート愛好家の皆さんにとって、新たな視点が広がることでしょう。

1935年、キットカットの前身である「チョコレートクリスプ」が誕生

キットカットの発祥はイギリスです。1935年8月29日、ロントリー社からウエハースをチョコレートで包んだ「チョコレートクリスプ」という名前のチョコレートバーが発売されました。当時は発売元がネスレでもなかったですし商品名もキットカットじゃなかったんですね。

ちなみにこのチョコレートクリスプは、当時ロントリー社の工場で働いていた男性が「お弁当と一緒に職場に持っていけるチョコレートバーを作ってはどうか」という提案をしたことで生まれた商品だそうです。お弁当と一緒にチョコレートを持っていくという発想はあまりないですが、さすがチョコレート工場で働いていただけあって、チョコレート大好きな男性だったんですね。

1937年、「キットカット」という名前が誕生

イギリスで大ヒットとなったチョコレートクリスプですが、名前が長いことを懸念したロントリー社は1937年5月に「キットカット」というブランド名を付け、キットカットチョコレートクリスプとして販売を開始しました。こうちして今僕たちが食べているキットカットという商品が完成しました。

1942年、青いキットカットの時代

ようやく完成したキットカットチョコレートクリスプですが、1942年に第二次世界大戦の影響により原料の牛乳が使えなくなり、レシピの変更を余儀なくされてしまいました。これまで築いてきた消費者の信頼を失うことを懸念したロントリー社はキットカットの名前だけを残し、商品名からチョコレートクリスプを外しました。またパッケージの色も赤から青に変更。「戦争が終わるまで作れません」という広告を出しました。さらにパッケージには、「平和な時代に楽しんでいただいていたチョコレートクリスプは、牛乳不足のため作ることができなくなりました。この「キットカット」は、現在我々が提供できる、最大限味を近づけたレシピで作られた製品です。」と説明書きが付けられたのでした。

今はこの青いキットカットは食べられませんが、牛乳を使わずに作ったキットカットも食べてみたいですね。

1949年、帰ってきた赤いキットカット

第二次世界大戦の終戦後、徐々に牛乳の供給量が回復してきたことで、1949年に赤いキットカットが復活しました。またその際、ロントリー社がブランド名を「キットカット」に変更し、僕たちが知るキットカットブランドとなりました。

1958年、「Have a break, have a KITKAT」というフレーズの誕生

1958年に初めて、「Have a break, have a KITKAT.」というフレーズが開発され、このフレーズを使ったテレビCMが作られると同時に、大きなキャンペーンがイギリスで開始されました。日本でもキットカットと言えばこのフレーズですね。「Have a break, have a KITKAT.」は50年以上たった今でも、製品やコミュニケーションを通じて、世界中に届けられています。

1973年、キットカットが日本に上陸

1973年、とうとう日本にキットカットが上陸します。このころはまだネスレではなくロントリー社からの発売でした。

1988年、ネスレによるロントリー社の買収

1988年にスイスのネスレがロントリー社を買収し、キットカットの販売元はロントリー社からネスレに変わりました。ここでようやく僕らがよく知るキットカットのパッケージが誕生しました。ちなみにネスレは1988年から1998年の10年間でロントリー社を含め5社の買収を行っており、当時は数多くの他社ブランドを取り込んでいた時期でした。

1990年代、ラインナップの拡大

1996年にイギリスで世界初となるミルクチョコレート以外の味のキットカットが発売されました。ダークチョコレートなどではなく、なんとオレンジ味です。その後もクッキー＆クリームや桃、塩レモンなどたくさんの種類のキットカットが発売されました。個人的に一番美味しいのはやっぱりミルクチョコレートですが、たまには色んな味のキットカットを食べてみても面白いかもしれませんね。

現在、日本での浸透

日本においてキットカットは単なるチョコレート菓子以上の意味合いがあります。九州の方言で『きっと勝つとぉ（きっと勝つよ！）』がキットカットに似ていることから、九州を中心に受験生の間で自然に生まれ、2002年頃から受験生の間に口コミで広まり始めました。今日では、受験生が受験会場に持参したり、受験生を応援する人達（教師・家族・友人）から受験生へ激励の意味を込めて贈ったりする姿も見かけるようになっています。僕も受験の時に母親からもらいました。そしてキットカットは、受験だけではなく、恋愛、スポーツのシーンなどでも、心の支えのような存在として、大切な人に応援や感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションツールとして親しまれています。

また日本はキットカットの消費量は世界第2位。発売はそんなに早いわけではないのですが、オリジナル商品の開発や、受験でのゲン担ぎなど独自の進化を遂げていき、すごいスピードで世界トップレベルのキットカット大国になりました。

まとめ

今回はキットカットの歴史についてまとめました。第二次世界大戦時に青いキットカットがあったなんて知らなかったですね。現代ではなかなか同じ事は起きないのかもしれませんが、原料が足りない中でもキットカットブランドを続けてくれて感謝です。

このようなお菓子の歴史を知った上でお菓子を食べるとこれまでとは違った楽しみ方が出来ると思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。ではまた。

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